MECHAVOCATION(メカボケーション)事業は、関西地域での大学や高専の持つ研究シーズと産業界が保有する技術やニーズを相互に理解し、産学連携を通じた人材育成するための交流の場です。MECHAVOCATIONという言葉は“機械を天職とする人々の集い”を意味する関西支部独自の造語で、当初は関西地区の大学、短期大学、高専に在籍する機械系学生に対して、進路選択のための情報を提供することを目的に1993年より事業を開始しました。初年度は80社の協賛企業の援助を得て事業を開始し、現在では150社近くの企業からご賛同をいただいています。あらためて、本事業に対する長年にわたる、ご理解とご協力に感謝申し上げます。
「関西地域における機械工学分野の学術および技術の進歩、発展をはかり、工業の発展に尽くす」という目的で設立されました機械学会関西支部の事業の中で、本事業は学術講演会に代表される学術・技術交流事業、講習会などの教育・啓発事業とともに、支部活動の大きな柱である産学連携・人材育成事業に位置付けられています。このたび、その出版活動としての「機械系学生と企業とを結ぶ技術情報誌(MECHAVOCATION 2024)」を刊行する運びになりました。本事業の趣旨にご賛同、ご協賛頂いた企業の方々、記事の執筆、編集に携わっていただきましたすべての方々に厚く御礼申し上げます。
本事業では、以下の活動を実施する予定にしています。
(2)~(5)の活動については、新型コロナ感染症の5類感染症移行に対応して、基本的に対面式にて実施する予定にしています。とくに企業技術発表会は、学生の皆さんが、出展企業各社の技術・製品・サービスを学ぶことのできる絶好機会となりますので、今後の進路を考える上で大いに活用していただきたいと思います。
日本は、2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。これを受けて、エネルギー・産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションの創出といった取組を加速するために、経済産業省が中心となり「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されました。今後、様々な産業分野において急激に変化が起こります。この社会課題に対して、現実的な解を生み出すために機械工学が果たす役割は今まで以上に重要になります。また、それを担える創造性豊かな人材の育成、産学の連携が求められます。産学双方の技術・研究情報が集約された本誌により、産学連携、人材育成がより一層促進されることを期待いたします。