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工作機械の設計・開発・製造・販売
「歯車」と聞いて皆さんはどのようなイメージを持たれますか?
様々な機械や製品に使われている部品だというのは何となくイメージをお持ちではないでしょうか。昔から使われ続けている部品で目新しさは感じられないという方もいるかもしれません。
身近なようで馴染みのない歯車ですが、現代においても歯車は重要な役割を担います。日本を代表する産業である自動車や近年急速に普及する産業用ロボット。これらの製品には特に多くの歯車が使用されています。歯車は動き、かみ合うことで動力を伝える、変速する、トルクを生む。製品の動作に不可欠なだけではなく、その製品の品質にも大きく影響を与えています。
急速に進化し続けるモノづくりの世界ですが、歯車の世界もまた進化し続けています。より高精度で、より高強度で、より低コストで、より速く、より精度を安定させることなど様々なことを求められます。
工作機械はそれらの課題を解決するために、一部分を改良したり、作り直したりすれば良いといったものではありません。様々な部品やユニット、プログラムが複雑に作用し、調整され製品が出来上がっているからです。そのような工作機械業界の中で歯車は更に奥深く、異質な存在です。そのような「歯車を加工する工作機械」を取り扱う当社は長年培った技術力と知識を基に製品の品質をさらに向上させています。
ホブ盤は歯車の切削加工を行う製品です。ホブ盤で高い歯車精度を達成するには、ワーク取付具(治具)と機械の精度、特に工具軸とワーク軸の同期回転精度の向上が必要となります。そこで工具軸とワーク軸の回転をモータ直結のダイレクトドライブ方式とし、モジュール0.5の歯車でピッチ精度ISO 0級を達成しました。また加工による熱変位が小さく、連続加工中の歯厚変化が非常に少ないのも特徴です。
自動車用歯車では、粗加工であるホブ切り(ホブ盤での加工)では低コスト化に重点が置かれます。そのニーズに応えるべく、KN81ではホブ盤の複合化を実現、荒加工→面取り→仕上げ加工までを同機種内ワンチャックで行います。工具とコーティングの進化により、工具寿命を維持したまま加工速度を上げられるため、粗と仕上げの2段階で加工が可能になりました。仕上げ加工では高速・低送りの軽切削+歯すじ修整で加工精度をギヤシェービングに近づけることができます。これによりお客さまの歯車製造工程の短縮およびコスト削減に貢献することが可能です。また、高出力かつ高速の工具取付ユニットを新たに開発し、ワーク粗加工時の低速・高負荷条件と、仕上加工時の高速・低負荷条件を両立、加工精度の向上も実現しました。
▲KN81 機械内部
ギヤスカイビング盤は主に内歯車の切削加工を行う製品です。自動車・電気自動車用の歯車は従来以上に高トルク・高速回転に耐えなければならないため,内歯車にも歯車精度の向上が要求されるようになってきています。ギヤスカイビング加工は,歯すじ修整が容易で、熱処理ひずみを考慮した加工が可能です。当社のギヤスカイビング盤は、熱変位が少なく、高い寸法安定性を備えており、連続加工を実施しても安定した加工精度を得られます。ホブ盤では干渉部分があり、加工が不可能な電気自動車の2段外歯車など外歯車の加工依頼も増えており、使用用途が広がっています。
▲ギヤスカイビング盤加工写真
産業の電動化の波の影響で、歯車のかみ合い効率の向上に加え、高強度化や静粛性向上の要求も一段と強まっています。そのような場合は歯車研削という工程で焼入れ後の精度修正および歯面粗さの向上を行います。しかし、精度の修正は不要でも歯面粗さの向上を低コストで行いたいというニーズも多数存在しています。そのニーズに応えるため、KGH250型歯面仕上盤を開発しました。この製品の機械構造はシンプルでワーク軸には駆動力はなく、砥石(工具)とワークの接触点に適度な押しつけ力を発生させ、連れ回りで加工する機構です。そのため歯車研削盤のように歯車の精度をコントロールすることはできませんが。切削加工時に生じる多角形誤差や送りマークの除去、歯面粗さの向上が可能です。
歯車を切削加工する際に出るバリを除去(面取加工)する必要があります。自動車用歯車ではフレージングという加工法が多く採用されていますが、歯すじが膨らむというデメリットがあります。膨らみを出さない円盤(円筒)状のカッターを使用した切削面取り加工もありますが、こちらはワーク形状や治具形状がカッターと干渉しやすいというデメリットがあります。
KD250Cではキツツキ方式を採用しており、歯すじの膨らみが生じず、カッターが干渉しづらくなっています。また、両端面のバリ取り加工をワンチャックで実現することで段取り時間の短縮を実現、全軸をNC化・専用ソフトによる加工シミュレーションも可能で、カン・コツの調整を最小限にすることに成功しました。
▲段付き歯車の面取り加工(KD250C)
当社は1913年に創業した100年以上の歴史を持つ歯車加工に特化した工作機械メーカーです。歯車を加工する「ホブ盤」を日本で初めて製造、1979年にはホブ盤のCNC化も国内で初めて開発に成功しました。いまでは自動車や産業用ロボットなど幅広い産業界で愛用され、「ホブ盤のカシフジ」としての地位を確立。100年を超える長い年月で培った経験と技術を駆使し、品質にこだわり、いつまでも使っていただける製品づくりに取り組み続けることで、現在では日本国内のホブ盤製造においてトップシェアを獲得しています。
ホブ盤は他の歯切り機械に比べ、最も加工能率が良く汎用性が高いため、今日まで長い間、多くの円筒歯車製造に使用されてきました。当社においては、自動車の変速機や産業用ロボットの減速機に使用される歯車を大量生産するための、高剛性で自動化されたホブ盤を開発・製造することで、発展に寄与しています。
また、ホブ盤にとどまらず、主に内歯車を切削加工する「ギヤスカイビング盤」、歯面の精度や粗さを向上する「歯面仕上盤」なども製造しており、電動化が進む産業界の次世製品に即応する製品の開発を進めております。
カシフジは機械に純粋な興味を持っている人が多いと感じます。たとえば現場で機械の検査をしていると、隣で機械を組み立てている人から「何のテストをしているの?」と聞かれることがよくあります。自分の仕事だけに夢中になっているだけでなく、自分の会社の製品がどうなっているのか気になるみたいで。次第にみんなでワイワイと議論に発展することが、すごくカシフジらしいなと思いますね。
株式会社 カシフジ