MECHAVOCATION(メカボケーション)事業は、関西地域における大学や高専が有する研究シーズと、産業界が保有する技術・ニーズを相互に理解し合い、産学連携を通じて人材育成を図る交流の場です。
MECHAVOCATIONという言葉は、“機械を天職とする人々の集い”を意味する関西支部独自の造語であり、1993年に事業を開始しました。当初は、関西地区の大学、短期大学、高専に在籍する機械系学生に進路選択のための情報を提供することを目的としており、初年度には80社の協賛企業の支援を得てスタートしました。現在では150社を超える企業の皆様にご賛同いただいております。改めて、長年にわたるご理解とご協力に心より感謝申し上げます。
「関西地域における機械工学分野の学術および技術の進歩・発展を図り、工業の発展に尽くす」という目的のもとに設立された日本機械学会関西支部において、本事業は、学術講演会に代表される学術・技術交流事業、講習会などの教育・啓発事業と並び、支部活動の柱である産学連携・人材育成事業に位置付けられています。
このたび、出版活動の一環として「機械系学生と企業とを結ぶ技術情報誌(MECHAVOCATION 2026)」を刊行する運びとなりました。本事業の趣旨にご賛同・ご協賛いただいた企業の皆様、記事の執筆・編集に携わっていただいたすべての方々に、厚く御礼申し上げます。
本事業では、以下の活動を実施する予定です。
上記の活動(2)~(5)は、基本的に対面形式で実施する予定です。特に企業技術発表会は、学生の皆さんが出展企業の技術・製品・サービスを学ぶ絶好の機会となります。今後の進路を考えるうえで、ぜひ積極的に活用していただきたいと思います。
持続可能な未来社会の実現に向けて、私たちが直面する社会課題はますます複雑化しています。中でも「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「生産性向上(労働力不足)」は、重要な課題として多くの分野で取り組みが進められています。カーボンニュートラルへの取り組みは、エネルギー転換と産業構造の変革を促し、サーキュラーエコノミーの推進は資源循環型社会への移行を加速させています。また、生産性向上では、AIを活用した設計・製造技術やロボティクスによる自動化が期待されています。
これらの社会課題に対して、現実的な解を生み出すために機械工学が果たす役割は今まで以上に重要になります。また、それを担える創造性豊かな人材の育成と、産学連携による技術革新の推進は、今後ますます重要性が高まっていくでしょう。本誌に掲載された産学双方の技術・研究情報を通じて、より一層の産学連携と人材育成が促進されることを期待しております。